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20110925

sparrow tour report

23日「ラジオゾンデ 新潟公演」
24日「みみをすます ワークショプ」どちらも無事終了しました。
参加くださった皆さま、スタッフの皆さまに感謝いたします。

音を眺める、言葉にならないききかた。
遅く、遠く、静かにきこえること。
減退せずにまっすぐに響いた空間。

耳をすました状態では「うるさい」音はなく
すべてで調和されていること。
快晴の空のもと、ひらけた海の存在感。

合間に撮った少し写真をアップしました。
ワークショップ、またきっと行いたいと思っています。

20110901

radiosonde sparrow tour


STARNET MUZIK、flauから素晴らしい作品を発表し、各地で精力的にライブ活動を行うデュオ・ユニット「ラジオゾンデ」(青木隼人+津田貴司)がこの9月、仙台・新潟・山形の3カ所をツアーで巡ります。新潟公演は9月23日(金曜日・祝日)。会場は “バスク地方をイメージした料理を味わえる、古町「旅の途中のカフェ/バル」。環境と一緒に時を刻みながら、空間をアコースティック楽器のように奏で、会場をやわらかに包み込む彼らの音楽。秋分の日の夜、気象観測気球から眺めた「音の風景画」をお楽しみください。

◎関連企画として翌24日にはラジオゾンデの津田貴司さんによる “おとをきく ”ワークショップ「みみをすます」が開催されます。関屋にあるエフスタイルさんのオフィスを拠点に、学校町~関屋浜までゆっくり歩きながら巡る「耳のピクニック」。現在参加者募集しています。ぜひご参加ください。

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ラ ジ オ ゾ ン デ   S P A R R O W   T O U R

live:ラジオゾンデ(青木隼人 津田貴司 w/ ame

9月23日(金・祝)19:00 open 19:30 start
入場料:2,500円(1 drink付き)
予約をおすすめいたします
会場:旅の途中のカフェ/バル (新潟市中央区古町通3-560 古町ビル1F )→地図
http://ameblo.jp/tabi-cafe-bar/
終了しました。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。

ラジオゾンデ プロフィール
青木隼人と津田貴司によるデュオ・ユニット。気象観測気球から眺めた音の風景画を奏でる。ファーストアルバム『sanctuary』(STARNET MUZIK, 2009)セカンドアルバム『radiosonde』(flau, 2010)をリリース。各地で精力的に演奏活動を行っている。
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津 田 貴 司 ワ ー ク シ ョ ッ プ
『 み み を す ま す   i n   新 潟 』 


秋風がさわやかな季節、耳のピクニックに出かけてみませんか?簡単なガイダンスの後、2時間程度ゆっくり歩きながら行います。いつもの散歩道も、注意してみみをすますと、驚くほど豊かな音の風景が広がります。「音を聴く」ことから始めて、「静けさを聴く」「みみをすます」という3つの意識状態をガイドする予定です。どなたでもご参加いただけますが、野外でのワークショップですので、各自で水筒や防寒具、雨具等のご用意をお願いいたします。スニーカーなど、歩きやすい服装でご参加ください。(集合後すぐに移動しますので、集合時間に遅れないようご注意ください)

9月24日(土)13:30集合(16:00ころ 解散) 
集合場所:F/style前(新潟市中央区関屋下川原町2-658 )→地図(click!)
駐車場はございませんので、周辺の有料駐車場をご利用ください 
予約をお願いします。 
参加費:1,500円 お茶菓子がつきます(定員15名) 
終了しました。参加いただいた皆さま、ありがとうございました。


津田貴司 プロフィール
音楽家/美術家。'空間との対話を重視した演奏活動やインスタレーション、ワークショップ『みみをすます』シリーズを各地で展開。主な作品として、インスタレーション『湿度計』(益子・STARNET2007年)『草の呼吸』(かわしまよう子との共作、吉祥寺・gallery STONE2011年)hofli名義でのアルバム『水の記憶』(drop around record2011年)、津田貴司名義でのアルバム『湿度計』(STARNET MUZIK2008年)『風の輪郭』(STARNET MUZIK2011年)を等を発表している。また青木隼人とのデュオ「ラジオゾンデ」としても活動中。
TAKASHI TSUDA / hofli

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ライブ・ワークショップの予約・問い合わせ
highland_1000@nifty.com(のみの音楽舎 藤井)
ご予約の際は、お名前とご予約枚数、ご連絡先を明記してください。


23日・24日 当日問い合わせは TEL 080-6564-4159 まで
(メールはすぐに確認できない場合がございます)

flyer artwork : nakaban

二つの作品

二つの作品のこと

津田貴司「風の輪郭」(2011, STARNET MUZIK)

 先日のこと、窓の外から聞こえてくる喧噪の中に音楽のような音がありました。どこか高いところから聞こえてくるぼんやりと透き通った音に、何だろう、いい音だなと思いながら、しばらく聞き入っていました。その後、その音の正体はiTunesから微音で再生されていた、津田貴司さんの「Anima」(hofli名義の作品)の一曲であったことに気づきました。「なあんだ」ということです。しかし、このできごとで「Anima」の音楽の奥に気配のようなものがあることを知りました。


 2003年発表の「Anima」は、沖縄・八重山諸島でのサウンドスケープ(音の風景)を変調し、時間の経過に沿って構成されている作品(現在廃盤)。津田貴司さんの作品には、しばしば環境録音の音源が使われることがありますが、それは音楽の「素材」としてではなく、自身の知覚体験を描き留めた心象スケッチ ─── はっきりと聞こえる波や虫の音以外にも存在する、その環境を覆うぜんたいの「気配」。作品の中に残るぼんやりとした八重山の気配を、微音の「Anima」と一緒に聞こえてきた窓の外の音から気づき、これは作者自身の体験に近いことなのかもしれないと感じました。


「 目 に 見 え ず   音 に も 聞 こ え な い も の 」
 津田さんの音楽作品は、主催するワークショップ「みみをすます」や、ふだんのリスニング体験と深く繋がっているようです。「ふだんの」というのは、特別な聴力で聴いているということではなく「今日は本が読めるくらい月が明るい」とか「風が吹いて、汐のにおいがする」ような身近な変化への関心。そういう天候や時間の経過や、もっともっと小さな存在にも耳を傾けているのだと思います。8月にリリースされた新作「風の輪郭」は、「Anima」「Biometeor」など、津田さんがhofli名義で製作してきたサウンドスケープに基づいた作品の集大成とも言える作品。環境音が主軸にありますが、音として録音されてない、肌で感じられる湿度や風の流れ、周囲のさまざまな現象が音の中に存在しているかようにきこえます。あくまで音楽フォーマットですが、目に見えない音やにおいが感じられる「写真集」の佇まい。


 レーベルは、「湿度計」やラジオゾンデのファーストアルバム「sanctuary」と同じSTARNET MUZIK。益子STARNETの建物の中、ふたたびその空気をふくんで録音された音は、くさはらの写真が使われたアートワーク、散歩道を辿るような曲タイトルで(コロポックルの世界を想像します)、ひとつの作品として完成されていて美しいです。


sample

TAKASHI TSUDA / hofli
津田貴司による音響写真集 - TOWER RECORDS ONLINE
STARNET MUZIK
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AOKI,Hayato「morning october」(2008, Grainfield)

 2006年10月7日 haco(神奈川・葉山)で早朝から行われた「朝の音楽と朝食の会」でのライブ演奏を編集した作品で、もう一枚の「morning july」と同時に発表されました。青木隼人さんはギタリストとしての存在、その印象が強いですが、この「morning october」では、クロマハープやメロディオンを演奏されています。淡々としたシンプルな演奏が軸になっていて、朝の冷ややかな空気に浸透しています。私は、この作品を聴いて、その音楽性にハッと気づかされることがありました。


「 楽 器 に 音 楽 を 奏 で さ せ る 」
 楽器を演奏しているうちに、そのまま楽器やその部屋に好きなように音を奏でさせて、そっと椅子を離れて、窓の外から覗いて、自らも聞いているような演奏者として独特の存在感 ─── それは楽器にとっては、黒子とも言えるのかもしれない。ギターやハープ、ピアノという楽器のもつ音やかたちに逆らわずに、その音の素直さを響かせていて、演奏者としての楽器との関係性や距離のはかりかたに、この音楽家・青木隼人さんらしさがあるように感じます。もし(たとえば、)石ころを手にとっても、同じ方法で音楽として奏でるのでしょうか。そして、青木さんのすべての作品には、抱えている楽器や周囲の風景音が「音楽」になった瞬間への、その祝福を感じます。


 この「morning october」は音源の再構成(青木さん曰く「音の剪定」)を、津田貴司さんが担当されていて、PREラジオゾンデとして聴くことも楽しいです。


sample

AOKI,hayato
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 「風の輪郭」と「morning october」を交互に。お二人は一緒にラジオゾンデとしても活動されていますが、この2作品を重ねて再生したらラジオゾンデの音楽になるかな(ならないだろうな、)と想像しながら。この2つの作品の中にある空気と音の記憶が漂います。この二人、それぞれが際立った音楽家が一緒に音楽を奏でていることは、ほんとうにおもしろいことだと思います。(おもしろいというか…、他に言い方が思いつきませんでした…)