20100308

3.7号 津田貴司さん(aka hofli)


27日の「空と余韻の音楽」に出演するラジオゾンデの一人、津田さんのこと。
津田貴司さんは、サウンドスケープに基づいた音楽活動をされています。ある環境での「きこえ」や、その空間のもつ「ひびき」を重視した演奏活動、CD作品やサウンド・インスタレーション(音の展示)、ワークショップなど、一貫して「みみをすます」や「きくこと」をとても意識して展開されています。


サウンドスケープとは「音の風景」「耳できく風景」のこと。分かりやすく言うと屋外で目を閉じてみたときに耳で感じられる「その場の雰囲気」や「気配」のことです。街では人がざわざわしたり、水辺ではさらさら、ちょろちょろと水が流れる音が聴こえてきて、その分かりやすい音以外にも空気のように小さなたくさんの音で、その風景はできています。「みみをすます」ことは、単に「音を聴く/音が聞こえる」こととも少し違い、音以外の、その「雰囲気」や「空気感」もすべて感じ取ること、と言えば近いでしょうか。
津田さんはその「空気感」をとても大切に考えています。


たべものを味わったり(器を見たり、料理した人のことを思ったり)、ゆっくりものを考えたり、風景を眺めたり。当たり前のことを、少し日々が忙しくなると忘れてしまうことがあります。「きくこと」にもいえることで、普段の生活をしながらその「音の風景」から、季節の移り変わりを感じたり、あたりまえの時間の流れを感じることは、とても楽しいこと。決して津田さんはことばで仰っているわけではないのですが、津田さんの音楽作品に触れると、日々の生活にゆとりをもって、当たり前のことを大事に感じながら生活をしたいと、自然に思うことが多いのです。


今回、津田さんには、3月27日のラジオゾンデとしての演奏していただく他に、28日のワークショップ「みみをすます in 新潟」を開催していただきます。海岸沿いの松林〜しもまちを歩きながら、いつも意識しない音、気づかない空気にみみをすませます。春のおとや、この場所(新潟島)らしいおとの発見もあるかもしれません。まち歩きや、散歩のような気持ちで、お気軽に参加いただければとてもうれしいです。〈ワークショップご予約は下記まで〉







ワークショップ「みみをすます in 新潟」フライヤー
(クリックで大きくなります)

ワークショップのコースにて 日和山付近


昨年津田さんは、青木隼人さんとのラジオゾンデで、益子のSTARNET(スターネット)の音楽レーベルSTARNET MUZIKからCD「sanctuary」を発表。(とても素晴らしい作品で、おすすめです)ソロとしても、同じくSTARNET MUZIKから「湿度計」(2008)、Hofli名義で「水の記憶」(2006)、「海の呼吸」(2008)などの作品があります。それらは、循環、季節や時間の流れをテーマにしていて、屋外で録音された風景的な音や、水の音などを用いて、とても穏やかな表情の、繊細な音作りをされています。主にギターの音を操っていますが、演奏面についてはあまり触れられる機会がないものの、実に巧みな演奏家だと思います。
砂丘館の蔵に、どんなおとが響くのでしょうか。みなさまのお越しをお待ちしています。








津田貴司 プロフィール
90年代後半よりhofli名義でサウンドスケープに基づいた演奏を行なう。アルバム『水の記憶』『湿度計』のほか、サウンド・インスタレーション『湿度計』 『海の呼吸』、ワークショップ『みみをすます』シリーズ等、空間との対話を重視した音楽活動を展開している。2009年、青木隼人とのデュオ「ラジオゾンデ」としてアルバム『sanctuary』発表、現在セカンドアルバム準備中。各地でのライブも予定している。
http://d.hatena.ne.jp/hofli/









おとの空、おとの空白

空と余韻の音楽 
2010 3.27 (sat)
live: sawako / ラジオゾンデ / asuna
@砂丘館 蔵(旧日本銀行新潟支店長役宅)新潟市中央区西大畑町5218-1
開場 17:30 / 開演 18:00
2,000yen ─ 小冊子「水と循環の音楽」が付きます
席に限りがありますので、ご予約をお勧めします


てんき や みえないもの の けはい

田貴司 ワークショップ 「みみをすます in 新潟」
2010 3.28 (sun)
13:00 砂丘館集合/16:00 解散
1,500yen ─ お茶菓子、小冊子「水と循環の音楽」が付きます
定員 15名(要ご予約)

ライブ・ワークショップとも、少しずつご予約をいただいています。
人数に限りがありますので、ご予約はお早めに。


ご予約・お問い合わせは
highland_1000(a)nifty.com (のみの音楽舎/藤井)まで

0 件のコメント: