20120903

音と滲み


fragments for..

9月8日にワークショップとライブで来県される津田貴司さん。
CD作品やワークショップと並行して、
これまで鉱質インクを紙片に滲ませた「画」の製作もされています。

最新の展示作品では、今年の7月末/東京・西荻のGALLERY みずのそらで行われた
Optics of the Garden:鉱質インクと音の滲みによるインスタレーション」
水面のように床に置かれたガラス、窓にあしらわれたスピーカーからきこえる音、
そしてこの滲みの画で構成された展示。
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インスタレーションを観覧し、感じたことは
この滲んだインクの画が、音とともに津田さんの表現における樹幹であること。

画の展示は、湿らせた紙片を「鼓膜」、鉱質インクを「音」として捉え、
その滲みを「聴取体験」とする考えに基づくもの。
インプロヴィゼーションにおける音そのものと、聴取する側の美的判断。
そしてインクと浸透圧で見えてくる文様、イマジネーション。

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展示の様子(photo by takashi tsuda)

展示会期中のライブでは、石川美南さんによる庭をテーマした朗読とのセッション。
木内石亭や宮澤賢治の作品、そして短歌に登場する光や鉱物の存在、そのことばに
津田さんの演奏が共振していると感じた時間でした。

一枚目の写真は、展示と同時に発表された
「fragments for installation Optics of the Garden」。
インスタレーション用の音源より構成された録音作品で、
展示されていた滲みの原画を、その空間から選ぶことができました。

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